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伊藤豊商事

伊藤豊の商い事全般。

人事評価・組織文化を考えるために読んでおきたい3冊

前回のLIFULL羽田さんの本を紹介したこちらのエントリーに続き、

yutakaitoslogan.hatenablog.com

今回も、人事・組織まわりの書籍紹介です。

私の経験上なので、ベンチャー企業、主に社員10人から100人規模のあたりで感じる課題意識が強い人が選んだ本という前提で参考にしていただければと思います。

人事評価はもういらない

 まず1冊目は、「人事評価はもういらない」です。そのタイトルのとおり、アメリカのグローバル企業では、もう年次評価を廃止する流れにあるというトレンドをベースに、No Ratingで行くこと、リアルタイムフィードバックをベースにパフォーマンスマネジメントをしていくことのコンセプトを説いた本です。

社員が二桁になって拡大しているベンチャー企業としては、そろそろ人事制度や評価制度をつくらなきゃ、と思いつつも、まだこれから変化する前提であまり固定化した制度を入れたくない、でも、何もないと不安というジレンマがあると思いますが、この本を読むと、もう少し別のやり方があるのでは?というヒントをもらえるのではないでしょうか?

フィードバック入門

 2冊目は、「フィードバック入門」です。まさにリアルタイムフィードバックの重要性を説いた1冊目を読んだ人に対する解答になる1冊です。組織開発・人材開発で著名な中原淳先生の新作新書(2017年2月発売ですね)です。

コーチングに関する本はたくさんありますが、フィードバックをテーマにして体系的にまとめた本は少ないので、年次評価の時代からリアルフィードバックが重要な時代に移る中で、マネジャー・経営人材にとって貴重な教科書となる一冊だと思います。

具体的なマネジャーの事例(インタビュー)も付いていて、とても具体的で参考になるTipsも多いです。

マッキンゼー流最高の社風のつくり方

3冊目は、「マッキンゼー流最高の社風のつくり方」です。マッキンゼー流ってタイトルについているので、「もうそういうのはいいわ!」って思って買うのをためらった人も多いのでは?と推測しますが笑、私も一瞬スルーしたのですが、ちょうど社風について研究してみたいと思っていたので、本屋で手に取ってみて中身を見て良さそうだったのもあり、読んでみました。

結論、とても良かったです。ToMo指数という考え方が紹介されているのですが、早速うちの社内でもアンケートを実施してToMo指数を算出してみました。

他の会社さんでもToMo指数を算出している会社さんがあれば、是非会社間で比較したり、どう活用していくか?どのように社風を良くしていくか?という勉強会などもできたら良いなと思っています。

最後に:人が育つ組織になるために

人が育つ組織ということを考えたときに、フィードバックをしっかりしていく、フィードバックカルチャーをつくることが重要だなと思う今日この頃です。

360度評価や360度フィードバックを取り入れている会社もあると思うのですが、なかなか設定や運用が大変なのと、データをため込んで活用していくという視点がなかったり、そもそも年度に一回限りのイベントと化していたりすることも多いのかなと思います。

やはりリアルタイムにフィードバックしていくことができたら理想なので、そうしたカジュアルなフィードバック文化をどうつくることができるかが、人と組織の成長スピードを高めるんじゃないかなと思っています。

そういった問題意識のもと、つくられているシステムが以下のTeamUp(チームアップ)というツールです。

teamup.jp

ちなみに、スローガングループのチームアップ株式会社が提供しています。クローズドベータ的にあまり宣伝してこなかったのですが、弁護士ドットコム様をはじめ既に何社かで本格導入されています。プロダクトを広めていくフェーズに入ったとのことなので、ご興味のある企業様はお問い合わせいただければと思います。

 

日本一働きたい会社になった会社に出会ったときの話

創業2年目の頃だったと思います。当時のスローガンは、本当に何もなくて大学生向けに無料でセミナーをやったりして学生とは会えていたのですが、法人営業がほぼできていなくて、法人顧客が殆ど存在しなくて、途方に暮れていました。

2007年当時(今もそうかもしれませんが)人材採用系の営業電話というのは山のように企業にかかっていて、テレアポのアポイントを取るのはとても大変でした。

学生のインターン生を中心にアポイントをとる仕組みをつくっていったわけなのですが、最初は本当に顧客企業の開拓に苦労しました

そんな中、出会った会社がネクストさん(現・LIFULLさん)でした。

何も伝手がなかった中で飛び込み的なテレアポをしたんだと思いますが、最初から羽田さんという新卒採用の責任者の方とアポイントが取れました。何も実績のない当時のスローガンに快く会ってくれる会社はまだ本当に少なかったので良く覚えています。

営業は私一人で行きました。慣れない営業トーク(私は起業する前に営業をやったことがなかったのです!)を駆使して汗を拭いながら説明したような記憶があります。正直、当時の羽田さんの印象はポーカーフェースであまり反応が読めなかったのですが、なんと!ひととおり説明が終わると、「是非何かやりましょう。社長の井上にも今度会ってください」と言っていただけました。

当時既にマザーズに上場していたはずなので、いきなり上場企業の社長に会わせてもらえるなんて!当時の何も実績のなかった創業期の私にとってはとても驚きでした。

そして、次回のアポイントで井上社長にもお会いして、大変熱心にこちらの話を聞いてくださって、スローガンとの取引がスタートしたのです。井上社長も本当に素晴らしい方で、スローガンの理念や考え方に共感してくれて、応援いただくような力強いメッセージをもらったのを覚えています。当時の私にとって大変励みになりました。

それ以来、ネクスト改めてLIFULLさんは、スローガンにとって最初期のクライアント様の1社として大変お世話になって来ましたし、多くの素敵な学生との接点をつくらせていただきました

本当に素敵な会社で、実際に当時私が直接お手伝いをしていた頃に入社した元学生の方も、その後、子会社社長になられたりする方もいて、大変に活躍しています。

2017年4月から社名をLIFULLに変更し、オフィスも品川から麹町に移転してますますご発展の様子でうれしく思います。

lifull.com

そして、同じく4月には、羽田さんが書かれた以下の本も出版されました。早速読んでみましたが、とても素晴らしい内容でした。羽田さんが実際に当時の同社に入社してからのことも詳細に書かれているのですが、思えば、羽田さんも当時、人事としては素人ながら全て任されていたという立場だったのだなと感慨深く思いました。

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実際、本の中でも、「当時とりあえず会いにくる人全員いろんな人に会ってみた」というような記述があったのですが、そんな羽田さんのスタンスがあったからこそ、当時の無名だったスローガンの私もお会いできたんだなと、羽田さんの謙虚で誠実でオープンな仕事姿勢に改めて感謝と敬意を持った次第です。

 

「日本一働きたい会社のつくりかた」

 

内容については是非、手に取って読んでほしいなと思いますが、細かい施策レベルでここまで全部開示するんですね!というレベルで書かれているので、教科書的にも使える内容です。そしてそれ以上に私的にはすごいなと思ったのは、羽田さんの人事としての志というか、根本的な考え方・仕事に向かう姿勢のすごさだと思いました。

こういう人事責任者がいたら、会社はたしかに健全に伸びるだろうし、発展するんだろうなと思える本で、人事に関わる人は勿論、経営層の皆さんも是非一読したら良い本だと思います。そうして、世の中にLIFULLさんみたいな素敵な会社が少しでも増えたら良いなと思います。

私が創業したスローガンという会社も今60名規模を超えてきました。当時の20代後半だった羽田さんが当時のネクストに転職したときは、同社は70-80名規模だったと言います。スローガンにはまだ羽田さんのような人事責任者は見つかっていませんので、そんな人材を探したいなと強く思わせてくれた読書でした。

 

マネジメント研修に使いたい厳選書籍3冊

こんにちは。年末にスタートしたこちらのブログ。ようやく2017年初回の投稿となりますが、今年もよろしくお願いいたします。

前回の投稿2016年に読んで良かったビジネス書7冊まとめ - 伊藤豊商事に引き続いて、おすすめの書籍を紹介したいと思います。

今回は、創業12年目の社員数60名前後の会社の経営者が、今まさに、経営幹部・マネジャー研修で使おうと思っている副読本を考えているのですが、その候補となる3冊を選びました。(まだ社内で確定していないのであくまで私のピックアップした3冊です)

HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント

こちらは、「HARD THINGS」 で日本でも有名になったA16Zのベン・ホロウィッツ氏が、HARD THINGS」の中でも絶賛していたあの本、「インテル経営の秘密」の改定復刻版です。これはマストバイですね。

実は私は「インテル経営の秘密」も持っていて15年前ぐらいに読んでいるのですが、当時はマネジメント経験もなく、ピンと来ず何にもなりませんでした。今読むと、マネジメントの中での迷いが言語化されていて、それで良いのか!とか、そう考えるんだな!とかめちゃくちゃ勉強になります。

あらためて、読書というものは、経験に基づく問題意識から形成された受容体がない状態で読んでも意味がないものだと痛感します。この本はマネジャー経験のない若手が読んでもあまり意味がないかもしれませんが、マネジャー経験のある人にはめちゃくちゃ勉強になるのでは?と思います。

 経営者になるためのノート

 こちらは、ファーストリテイリングの柳井さんの本です。ファーストリテイリングの社内の幹部研修テキストにもなっているという本だけあって、シンプルながら本質が凝縮されたすごい本だなと思います。

実は、私はこの本を書店で見かけたときに、手に取って、「はいはい、最近の本はこうやって余白を大きくして読みやすくする工夫しないと売れないのね、おれ向けの本じゃないな」ってすぐに棚に戻してしまったのですが、大間違いでした

後になってやっぱり気になって買ってみたのですが、本質が凝縮された素晴らしい本で、気恥ずかしさを捨てて、表紙に名前を書き込み、ペンを片手に真っ黒になるまで書き込んだり何度も読み返したりするに値する本だと思います。まさにテキストです。

 日本電産流「V字回復経営」の教科書

そしてもう1冊は、日本電産の永守イズムの本質が書かれているんじゃないかと思う、この本。実際に日本電産で働いていた著者がまとめた企業改革の教科書です。営業、コストダウン、リーダーシップ、カルチャーといった要素を網羅しています。

本屋で見つけて、分厚いのと高いので、ハズレだったら嫌だなと思って買おうか一瞬迷ったのですが笑、その場で気になるチャプターをいくつかピックアップして読んで、これは実践的で役に立ちそうと思い買いました。

日本電産は最近TVCMもやっていて一般への知名度も上がってきていますが、時価総額3兆円超えで、日立製作所を抜いてますからね(2017年1月23日現在の株価ですが)そんなすごい会社を一代で築いた創業者から直々に学んだ考え方・手法は貴重です。

 

以上、どれも素晴らしい本だと思うので、皆様の会社でも活用されることで、素晴らしいマネジメント人材が増えて良い経営をおこなう会社が増えれば良いなと思います。

2016年に読んで良かったビジネス書7冊まとめ

こんにちは。伊藤豊です。

こちらのブログ伊藤豊商事("いとうほうしょうじ"と発声してください笑)では、主に伊藤個人の読んで良かった本や買ってよかったもの、おすすめしたいものを徒然なるままにお伝えしていくブログにしたいと思います。

実験的な取り組みですので、どこまで続くかわかりませんが、気長に無理せずに継続していきたいと思います。

なお、今後このブログがメジャーになると間違える人が出てくるかもしれませんので予めことわっておきますが、伊藤忠商事様とは無関係です笑。

もう、2016年も終わりに近づいておりますので、恒例企画っぽいエントリー(あくまで「ぽい」だけです。私はやったことありません)として2016年に読んで良かった本(ビジネス書)まとめをしてみたいと思います。

Amazonの購入履歴を眺めてみて、これは良かった!と思ったものを7冊ピックアップしました。私は意外と書店で買う派だったりしますので、私のマイベストブックス2016のコンプリート版ではないものの、自信もってレコメンドできる7冊です。

 

 破天荒な経営者たち──8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功

 起業してからこれまで自己資本で経営してきて今年はじめて外部資本を調達した私としては、改めて投下資本をどう使うのか?優れた経営とは何か?CEOはどういった気質・考え方をすれば良いのか?について考えたいと思っていたときに、手にした本です。

経営パフォーマンスにおいて、GEのジャック・ウェルチをはるかに上回る無名の経営者たちがいるということに興味をもつ人は是非ご一読を。

ちなみに、私はこちらの記事でこの本の存在を知りました。このリストの21冊の中で最も気になった本でした。

gigazine.net

 

 完全なる投資家の頭の中──マンガーとバフェットの議事録

ウォーレン・バフェットの唯一無二のパートナーであり、バークシャー・ハサウェイの副会長であるチャーリー・マンガーについての本です。バフェットの本は何冊か読んでいたのですが、チャーリー・マンガーについての本ということで興味を持って読みました。

私自身は、個人として株式投資はしておらず(ベンチャーキャピタル投資に関わっているので未公開ベンチャー投資には関わっていますが、そちらも個人では投資していません)、投資家として勉強したいというよりは、優れた投資家から見たときの、優れた経営とは何か?を学ぶことで、経営に活かしたいと思って読みました。

この本も含めてバフェット関連の本って個人投資家株式投資を学ぶために読む人が多いかもしれませんが、経営者こそ読むべきなんじゃないかなと思います。

 

戦略不全の論理―慢性的な低収益の病からどう抜け出すか

アカデミックな経営学系の教授の本は、自分で起業してベンチャー経営をするようになってからは遠ざかっていたのですが、この本に興味を持つようになったのは、私も会社経営11年目になり、まだ小さいながらも、資源配分や戦略というものの必要性を強く感じ始めたのと、高収益企業ってどうやったらできるのか?というテーマで考え始めたからです。

2004年発刊と10年以上前の本になりますが、今読んでも色あせない示唆がたくさんありました。本書の重要な主張の一つでもあるのですが経営者の任期の話もあり、私もちょうど来年40歳を迎えるにあたって、いつ次の経営者や経営チームに継承していくべきか?というテーマについても考え始めていたので、個人的にすごくタイムリーな読書タイミングでした。 

クリエイターズ・コード 並外れた起業家たちに共通する6つのエッセンシャル・スキル

ゼロイチの起業家の資質・考え方・行動をまとめた本です。私も11年やってきたわりに、本当にこんなものか。。もっと事業フィールドを拡張できたはずなのに、全然できてない、小さいままじゃないか?と落ち込むこともあるのですが、改めて体系的に、どういう要素がゼロイチの起業家にとって必要なのか?を意識したいと思っていたときに手に取った本です。

メンターである先輩起業家からのアドバイスとも重なる部分があったりと、自分の思考をとても整理できました。

ちなみに、私の認識では、ゼロイチというのは、売上100億円ぐらいまでのフェーズをゼロイチと捉えていて、私もまだまだゼロイチフェーズにいるんだと思っています。

 

 〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

こちらは今年発売で売れた本ですので、読んだよ、という方も多いかもしれません。

テクノロジーがこれからどう社会を変えていくか?というテクノロジー社会学的な本として傾向・最近の動きをざっとおさえておくのにとても良い本かなと思います。

学生から「何かおすすめの本や読んだ方が良い本はないか?」と聞かれたら、この本をすすめたいと思います。あまり本を読んでなさそうな学生にはとりあえず、おすすめしておきたくなる本、というのが私の中での位置づけです。

 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

こちらも2016年に発売されて売れている本ですね。何となくワーク・シフトの続編でしょ、はいはい、だいたい書いてあること推測できるからいいわぁ的にまだ読んでない人もいそうな気がしますが、侮るなかれです。読んだ方が良いと思います。

寿命が延びることを前提に、新しい考え方や人生設計が必要になりますよ、という話が展開されているので、未来小説的に読みつつ、ビジネスとしてどんな事業機会が台頭しそうか?とか自分だったらどうするだろうか?ということを考える良い材料になるかなと思います。

 

ALLIANCE アライアンス―人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用

こちらは、2015年発刊なので昨年の本なのですが、私は読みたいなと思いつつも、勝手にリンクトインのリード・ホフマンが書いた本だから、結局Linkedinのサービスのプロモーション的な本なんじゃないかと邪推して敬遠していたので笑、読むのが遅れました。

でもやっぱり読もうと思ったきっかけはこちらの記事でした。東京糸井重里事務所あらため株式会社ほぼ日CFO篠田さんのインタビュー記事です。

jinjibu.jp

結果的に今年読んで良かったです。私の中で、考え方が変容してきていて、まさに本書で主張しているようなコンセプトに私自身納得できる、共感できるような変容があったので、もし昨年読んでいたら、全然刺さらなかった本かもしれません。

これからの時代に必要な人材観・人事観だったりコンセプトだったりすと思うので、先進的な経営、優れた人材を採用したいと思う経営者・人事関係者は必読だと思います。

 

ということで、少しはお役に立てたでしょうか。

今年もお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、良いお年を!